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シン・ウルトラマンのNowLoadingのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.2
 本日の一本。ノー・ウェイ・ホームが今年の洋画最大の注目作ならこのシン・ウルトラマンが邦画の最注目作と睨みお休みを取って観賞。

 まず感想を一言。この映画アタマ悪いなぁ。最初から注目してほしいのだが開始10秒で分かる、「あっこの映画アタマ悪そうだな」みたいなのがそのまま繰り広げられる。シン・ゴジラの世界観、つまり現実対空想の枠組を流用してウルトラマンという名のエヴァンゲリオンをやっている。怪獣、もとい禍威獣は何故この日本にしかやってこないのかなんてのはエヴァでやってること一緒(途中から理由が変化するところまで一緒)、特に科特隊ではなく禍特隊はネルフキャラに寄せられより現実感は剥離している。シン・ゴジラの本当にヤツが現実に出現したら…みたいなリアル感は薄い。

 まぁ要するに庵野氏はエヴァンゲリオンよりウルトラマンが本当はやりたかったんだねというのがなんとなく伝わってきたのが分かる。だからアタマが悪くてもやりたかったんだからしょうがないのだ。エヴァはもうどうしていいかわかんないからあぁなったし、ゴジラは後先考えなくていいからあそこまで作れたんだろう。

 勿論不満点はある。2時間強にあの内容は詰め込み過ぎである。どの禍威獣とは言えないが僕も大好きなアイツ出して中ボスにしてPart1Part2に分けた方が良かった。なので後半が物凄い駆け足になってしまっていた。

 あと邦画、というより樋口監督の臭みのある演出。庵野編集を持ってしても隠しきれないスピードのダラダラ感。シン・ゴジラの官僚達の徹底した早口言葉の演出がより際立つ。つまりウルトラマンが戦うシーンは最高だがドラマパートはイマイチノリが悪い。特技監督樋口真嗣の真骨頂を見よということか。

 本作は賛否両論の可能性がある一作だが、これだけは忘れてはならない。ヒーロー映画を作れるのはアメリカだけではないのだ。シン・ウルトラマンにはそれだけの価値があるし、なによりいい年した大人が本気で頭の悪い映画を作ってそれを観れる。この現実がたまらないのだ。僕はこの映画が大好きだし、取り敢えずもう一回観に行って取りこぼしがあったかなかったか再確認したいと思った。
(ウルトラマンのモーションキャプチャーに庵野秀明の文字。まさかとは思ったがホントにやってしまうとは。どんだけエヴァンゲリオンやりたくなかったのか。あとはマルチバースな。みんなマルチバース便利に使いすぎやろ)
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