Kitty

シン・ウルトラマンのKittyのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

圧倒的に尺が足りない。


人類とウルトラマンの遭遇→依存→自立という流れを2時間弱の尺で納めるために、状況から心情までとにかくセリフで説明される。
文字情報で物語が駆け足で展開していくので、キャラクターに共感する間も無く次々と場面は移り変わる。
それにより、キャラクターの心情の変化が非常に唐突に訪れる。ウルトラマンやシンジにちょっとしたことで信頼が生まれたり無くなったりする。
ともすれば軽薄に見えかねない描き方だったように思う。
2部作にしたり連続ドラマにするなりして、じっくり時間をかけて心情の変遷を描いていれば、クライマックスの自立への流れやラストの「おかえり」が感動的でカタルシスを感じられる物になるだろうと感じられるだけに、非常に勿体ない。


禍威獣のサイズ感や脅威の演出、破壊描写、異星人チックなウルトラマンと禍威獣とのバトル、テレビシリーズでも様々な工夫を凝らした特撮演出がなされているが、予算の都合からテレビシリーズではまずお目にかかれないであろうビッグバジェットならではの特撮的見せ場は楽しく観られたし、ウルトラマンのツッコミどころに向き合って何とか理屈をつけてリアリティラインを補強しようとする試みも素晴らしい。
リスペクトもふんだんに盛り込まれており、その点でも楽しめる。
が、映画的面白みに欠けているのがかなり致命的で、非常に勿体ない作品でした。
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