セサミオイル

シン・ウルトラマンのセサミオイルのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.5
ある種の興奮状態にあります。
成田亨が描いたウルトラマンを掘り起こして、それをカッコいいと思わせる事に成功したと思う。
60年前のキャラクターを現代に蘇らせフィギュアや画集を買わせるまでにもっていった功績はかなり大きい。
この映画が無ければ未だに時の砂に埋もれたままですからこれは本当にすごい事だと思います。

ウルトラマンのシルエット、デザインが兎に角よかった。

スターウォーズやガンダムが実践してる通りキャラクターやメカデザインがこのジャンルの命題だと思います。この点において今作も成功してると思いました。

その比類なき二枚目俳優であるウルトラマンがコミカルなアクション多めで笑かしにかかったり、スーツアクターには出来ない人間離れした動きがあったりアクションもかなりやばくて、もう一度観たいと思う理由はこの動きに他ならない。兎に角変(笑)
これは当時もスーツアクターが気を抜いた瞬間が映ってしまって当時のおっきいお友達ももそれを密かに楽しんでたんだと思います。

くちあんぐりの戦闘シーンもあったな。
もう一回観たい。

他、隊員が電話を取るやいなや「なにっ!?◯◯が、△△された!?」と全部言うやつ。あれほどやるなと言ったのにやるwwwわざとでしょうね。思わず吹き出しました(笑)その他わざと野暮ったくした演出は思わずぷっと笑えました。オリジナルにそういうシーンがあったんでしょうね。明らかに現代の発想ではないなと思いました。

空想特撮映画というお題目も◎!
これのおかげで肩の力を抜いて観られました。
ああ、こんなとこもオリジナルに寄せるのかというシーンもありましたがそのシーンも取って付けたような印象がありもうちょっと丁寧に扱えよー!みたいなのはありましたね。

尻パン描写も邪魔でしかなかったですね。やめて欲しかったです。昭和オマージュも良いけどアップデートするとこはしろや。
もしくは少年のトラウマになるくらい挑発的にするかどっちかにして。
ふわっとした中途半端な感じもだいぶキモいです。
不満点も多いです(笑)

冒頭の思いっきり昭和に寄せた音楽は良かった。新録だよね?ギターなんか太い音ですごい当時っぽい音の質感!!最高!
劇中の軽快なJAZZっぽいやつはよく分からなかった。
主題歌ってのも取って付けた感あり。
ビジネスの臭いしかしなかったwww
せっかくのビッグタイトルなんだから音楽だって観客に良質なものを届けるという意志を見せて欲しかったな。

あとやっぱり行ける人は映画館で観ましょう。
家に100インチのテレビがあったって、サブウーハーがあったって、あの音量だけは真似できないから。