ちょいネタバレになるかもしれません。
なるべくガワの部分を抽象的に書くようにしていますが、前情報無しで見る事をおすすめします。
ウルトラマンオタクのオタクによるオタクの為のウルトラマン。
そしてウルトラマン、特撮オタクへの入り口。
まとめ。オープナーとしてシンシリーズは機能しているように思う。
庵野という一人の特撮オタの趣味全開映画。
庵野秀明展行ってたり、庵野を昔から追っている人からすれば、そりゃこうなるわってなるウルトラマン。
まぁオタクには超刺さるし、
一般層も大筋で楽しめる脚本は見事。
ただあまりにもオタク視点からすぎて客観性に欠け、ニッチに寄りすぎてる感はある。
そういう意味では前作シンゴジラの方がゴリゴリの庵野味で調理してるのと、ゴジラという暗喩がテーマ性をもっていて時事に置換出来る分面白かった。
あの時の熱量を今作には感じられなかった。
一般的な娯楽映画の棚にあれば良作だが、
庵野映画の棚にあれば佳作。
庵野ファンからすれば傑作と、
賛否ある作品。
シンウルトラマンのテーマ性は哲学や宇宙、SF的ネタゆえ、そっちに明るければ面白い。
宇宙という視野の上で人類の存在意義を見出すというのが大筋というか1テーマではある。
現代物理学や量子力学という科学的見地で不条理な高位存在である地球外生命のレベルを浮き彫りにしていくリアリズムや設定付けはこれぞ庵野節、十八番。本当にすごい。
小津安二郎や岡本喜八映画の影響も見られるクセ画角も顕在。
俳優陣の演技も悪くない。
もはやわざと感のある抜け演技さえ特撮リスペクトに感じる。
庵野秀明という一つの流れの中では抑えておいて損は無い映画。というか、ウルトラマンこそ見ておいた方がいい。
そうでなければ、別に見ても見なくてもいい。
そんな映画でした。