ウルトラマンや特撮についてはよく知らないが鑑賞。
監督は樋口だが、全体的には庵野の個性で詰まった作品。
多分庵野のこだわりをうまくまとめられるのが樋口監督なのだろう。これからも二人三脚でやっていってほしい。
序盤は怪獣との戦いがあるのだが、かなり展開が早く一瞬で倒す。テロップもほとんど読ませてくれない。だがこの作品は怪獣との戦いよりも、怪獣を目覚めさせていた次段階としての星人との対話、人間同士の会話、そしてその間に位置する特異点としての主人公の内面描写にかなり力を入れているので、そこら辺は飛ばしてもいいのだろう。
中盤〜終盤は主人公周りの会話がメインでややゆっくりと進み、会話も難しいため聞き逃すと何の話をしているのかわからなくなる。そこら辺の理解が意見を分けそうだと思った。子どもが理解できるかは分からないので心配だが…
私は会話劇が好きな方なので楽しめた。星人とすぐ契約したがる日本政府も皮肉が効いていていい。
全体的に会話が多すぎるとは思うものの、まとまりは大変よくキャラへの思い入れも適度にできて、良い作品だった。
ウルトラマンという使い古されたキャライメージを、新しさと迫力ある視点によって一新したところに大変意味があると思う。
同席していたウルトラマン体験世代の意見を聞いてみると、最初の怪獣出現の順番が原作と同じだったりPCの背景画像が当時の特撮作品と分かるものだったりでかなり楽しめたようだった。