木蘭

シン・ウルトラマンの木蘭のネタバレレビュー・内容・結末

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

 金を掛けたマニアの自主制作映画を見せられている感じ。

 全体的にCGがチャチで、テレビで観る分には良いんだけど、劇場の大画面で観ると一寸辛い。
 『シン・ゴジラ』を横滑りさせた様な話だけど、巨大生物兵器がドーン!って話から、多元宇宙の話とスケールアップしたのに国内ポリティカル・サスペンス風のシーンとか無駄に入れてくるので、物語が急にチャチになる。
 政治観とか、怪獣対策に日本が経費を払って米軍に兵器を売ってもらう(使用を要請する)ってセンスも・・・'90年代ちっくで古臭い・・・。

 怪獣や宇宙人のデザインのアレンジも今一つ。逆にオリジンにこだわったが故に、よりチャチに見えるシーンも多い・・・。
 ウルトラマンのデザインも、こだわりポイントは分かるんだが、なんか違うよなぁ・・・カラータイマーが無いとかじゃ無いんだ。シュワッチって言わないし。

 致命的なのは、光の国の戦士の描写。
 ウルトラマンの世界って、面倒くさい話やシニカルな要素は他の宇宙人に任せて、光の国の戦士たちは(人類にとって)正義の味方だからこそ成り立っているのに・・・光の戦士たちが価値観や立ち位置をこじらせたら成り立たないんだけどなぁ。ウルトラマンってヒーロー物だからね。

 オリジンのエピソードを組み合わせているし、随所にマニアのこだわりを感じるんだけど、大切な何かが欠けている・・・シンというよりニセ・ウルトラマンだった。
木蘭

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