ばっしぃ

シン・ウルトラマンのばっしぃのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.6
確かに評価が分かれるのはわかる。昔見たウルトラマンの延長線上で見ると、現実離れしたところから始まる子供向けの素朴な設定がよかったのに余計なことしてるようにも感じる。空想世界の設定に必然性を与える丁寧なシナリオはよくできている。シンなのだから全くの新しいものとして見れば、SFコメディヒーロー作品としてエンタメ化した作品とも言える。全般的にエバ感は抑えめになっているものの、シンゴジラの続編的なテイスト。大人向けのディテールにこだわった設定もシンゴジラに比べると相性が悪いように見えた。
子供の頃、勧善懲悪で必ずウルトラマンが勝つと思っていたが、全く歯が立たなくて勝てないこともあるというのを思い知らされたのがゼットン。ゼットン、ピルルルルルル、というのがいまだに耳に残っていて、今回もそれが生かされている。ウルトラQ風のタイトルバック、ウルトラマンが登場する赤バックの絵面、電話音や音楽など随所に昔懐かしいカットや音にこだわっている。ネロンガやメフィラス星人が出てきたのも嬉しい。メフィラス星人の山本耕史が面白いキャラクターだった。ウルトラマンとの対話は神々の戯れにも見えた。
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