《成分内訳：シン・ゴジラ＋エヴァ＋進撃の巨人＋散歩する侵略者》
ウルトラマンはビジュアルと街の中で怪獣と戦っていたなぁ？という記憶しかなかったけど、面白かったと思う。前哨戦みたいな扱いで出てきた禍威獣(カイジュウ)達の豪華撃退戦を、どうか同スタッフで各1話ずつにまとめてドラマシリーズにしてくれませんか？こういうの大好きなんですw
シン・ゴジラと似ているけど主役はウルトラマンなので、禍威獣は脇役。メインは地球星人＋異星人。シン・ゴジラの並行世界みたいに見える仕掛けも遊び心があってわりと好きだったし、「この構図エヴァ〜！」みたいなアングルがたまにあったりして庵野監督作品として楽しめた。昔っぽいタイトルの出し方や音楽の使い方もセンスが効いてて良かった。
アニメや漫画みたいな専門用語満載のコテコテ長文をぺらぺら喋りまくるのは最初面食らうが、それを知っている生身の俳優が演じることの化学反応的な面白さもあり、こういうジャンルだと思えば受け入れられる。ただそれはアマプラの字幕機能があってなんぼで、登場人物が何を言ってるのかはシンゴジ以上に聞き取れず、映画館で観たらストレスが溜まったと思う。(なんとなく分かっていればいい人はいいのかな？自分はエヴァとかもモブがバックで言っている一言さえも漏らしたくない派なので…)
明らかに地球人より上位の圧倒的な技術力と知識を持ち、極めて理性的かつ合理的に地球をどうこうしようとする異星人たちと、それを前に掌で転がされほぼ成す術のない地球人。その間に地球人を愛してくれる異星人のウルトラマンが入ることで物語のバランスが取れ、観る者を感動させる作りになっていたと思う。「なんか凄い生命体が地球のために尽くし、闘い、守ってくれる」に、感情がひと匙加えられる感じだ。特に『1ミリ秒の決戦』のシーンは凄くて大好きで何度も観た。
残念だったのは、長澤まさみの役への扱い。ウルトラマンは昔の時代の作品だが、それを現代にリブートしたのだから当時のヒロイン像は引っ張ってこないでほしい。今時ディズニープリンセスはおろか少年漫画のヒロインだってこんなキャラは(ほぼ)いない。動画サイトやVR会議が出てくるのになんでそこだけ古いんだ？庵野監督はヒロイン像もアップデートしてほしい。なんかセクハラを目の前で見たようで不快だった。完全男性向けの作品でやるなら勝手にすればいいと思うが、この規模の映画でやることではない。せっかくいい内容だったのに、セクハラの気がある男性とは今作についての会話は絶対にしたくないと思った。それさえなければもっと高いスコアをつけたかっただけに残念。
でも総合的には凄く面白くて見応えがあり良かったと思います！
早見あかりはキャラクターも含めて良かった。山本耕史がいいスパイスでなんかツボだった。斎藤工はフェロモン出すぎていて苦手意識があったけど、今作は役どころ的に愛しみが湧いたし好演だった。
