ロクシ

1917 命をかけた伝令のロクシのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.5
これはすごい!長回し&荷物持ち視点が大好きだけど、アトラクションみたい。

ストーリーはシンプルだけど、「サウルの息子」みたいに、POV風で兵士と戦場にいる気分が味わえる!景色もすごく美しい。劇場で3Dで見たかった。

見てる感じとしては、SEKIROとかの一本道のゲームを実写版で見てる感覚。

今回はBlu-rayレンタルで見たので、盛りだくさんの特典も一緒に見られてよかった!
これから見たいなと思ってる人はBlu-rayの特典映像もぜひ見てほしいな。

ていうか全編ワンカットって謳い文句だったのに、全然ワンカットじゃなかったのがびっくり!嘘つき!(笑)
一番長いカットで6分(多分冒頭)らしい。
WW1で一つのシーンにつき1カメしかない映画だけど、今の撮影技術がないと絶対作れなかったと思う。
カメラの種類も撮り方もシーンに合わせて変えてて、それが自然に見えるように雲の多さまで合わせてつなぎ合わせてる。

セットがやたら舞台っぽいなと思ったら、セリフの長さに合わせて、ピッタリ背景が入れ替わるように設計して全部1から作ったらしい。
まずセリフを言いながら役者に歩いてもらって、秒数を測り、カメラの位置を決めてから、塹壕を何キロ(センチ単位)掘るか決めてたらしい。ほんとすごい。
壊れた橋を渡るシーンは、メイキングだと結構都会でビルや電車映りまくってるのに、CGで荒野に見せてるのすごい!

あと劇伴も、狙撃兵の小屋に入った時は音がこもり、ドアを開ける瞬間に音が迫力を増していくんだけど、先にBGMつくってからそれに合わせて演技してたらしい。ほんとすごい!(すごいしか言ってない)

ブレイクが死にそうになるシーンで、歩け!移動しないと!→もう動けない!置いていけ…と言って亡くなったけど、その直後に実は小屋の真隣で味方の部隊がたくさんいたのがわかる。
え、こんなに近くにいたの?助けられたんじゃ?と思ってしまうけど
ワンカットに見せないといけないから、シーンに無駄な間が開かないようにそう作ったんだよね。
背景がすぐに入れ替わる舞台みたい。

主役二人は「マローボーン家の掟」のお兄ちゃんと、「ゲームオブスローンズ」のトメス…!トメスかわいかったのに大きくなったなぁ😂もう可愛くない(笑)
視聴者が登場人物な没入できるように、主役はあえて無名を選んだそう。
こんなに予算がかかった映画なのに、主役に無名が使えることは贅沢だって監督が言ってた。
トメスはわからなかったけど、マローボーン家のお兄ちゃんは個性的な顔つきだから最初から印象強かった。でもキャラが似てたので良し。
途中で出会う将校たちは、有名な俳優さんらしい。
死ぬ気で山を超え谷を超えやっと会えたのが、ベネディクト・カンバーバッチってイイね!

木の下で始まり木の下で終わるっていう
演出も良かったなぁ。
川で流されてるときに花びらが落ちてくるシーンは、ミレーのオフィーリアの絵画を意識してるのか、すごく美しかった。
あ、あと森を抜けて味方の部隊の歌を聴くシーンがあるんだけど、そこで主人公が6秒くらい瞬きをしないで固まってるので、一瞬死んだのかな?って思わせる描写がすごかった。
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