みーちゃん

1917 命をかけた伝令のみーちゃんのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.9
中盤くらいまでは、純粋な若い兵士が任務を遂行するおもしろさや過酷さ、ロケーションや撮影技術、などに目が行ったけれど、終わった時に感じたのは、達成感ではなく、虚しさだった。

第一次世界大戦は、この後も1年半以上続いたわけで、彼らのミッションは、その中のある1日の出来事でしかない。彼らの命も、日記の中の1行にもならない。しかも、これが最後の世界大戦ではない。と考えると憤りを感じる。人間何やってんだ。こんなことはもう絶対に駄目だ。と思う。

本作の特長は、この気持ちが瞬間的に沸点に達するようなものではなく、鑑賞後も静かに持続することだと思う。それが、緩むことなく緊張感を保ち続ける演出、駒のように投入された大量の兵士(何百人ものエキストラ)、そして、ワンカットの手法がもたらす効果なのだと思う。