ねこまるキャット

1917 命をかけた伝令のねこまるキャットのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.8
『任務』×『伝令』
戦争中、通信網が破壊され、罠である事を伝える手段がないため、直接伝達する任務を遂行する、ワンカット風の映画。

戦争ものは苦手ですが、今作はシンプルで面白い、というか凄すぎました。
全編ワンカットという宣伝を打ってましたが、長回しを繋ぎ合わせて"全編ワンカット風"という形です。

ちらほら広告詐欺と言われているようですが、ここまでのものはもう"全編ワンカット"でいいでしょう。

まず自分は基本戦争映画があまり好きではありません。

理由としては、
・全員軍服で役の個性が出にくく、名前が覚えにくい。

・役に感情移入する前に、流れ弾でいきなり死に、展開に感情が付いていかない

・こちらのストーリーが鮮明に描かれているだけで、向こうにもストーリーがあり、敵が敵とも言えない

といった点です。

しかし今作は、基本的に"主人公一人"に焦点を当てているため、ややこしくありません。

戦争の歴史、国の情勢などに疎くても、ただ"伝達する事が任務"の男を追うだけなので、自分が主人公、"ゲームプレイヤー"になったかのように錯覚出来ます。

まさにワンカット映像を見て、"体験する映画"です。

ロードもセーブもない"ゲームをやっている感覚"に近いので、子供が見ても入り込めるでしょう。

まぁこれだけリアルなものを、ゲームのようと例えてしまうのは、製作側に申し訳ないのですが、戦争をエンタメとしてしか見てきていない世代は、そう思うかと。

鑑賞前は、「ワンカットじゃなくて、普通に撮った方が面白いんじゃない?」という感想を抱きそう、とか思っていたんですが、とんでもない。

ワンカットならではの"味"を、これでもかというぐらい堪能出来ます。

戦争?興味ないなー。
という方も楽しめる作品なので、未鑑賞の方は是非🐈