最近見た近年の戦争映画という点でダンケルクを想像してしまっていたが、似ているようで全く似つかないものだった。
ダンケルクは、ノーランの大好きな時系列がわからなくなるトリッキーなシーンの切り替えに、次から次へと出てくる「無数の主人公」が海・空・陸と空間は違えどみな基本【同じ場所】なのが特徴的だった。
本作の主人公はずっと同じで時間も見ているままに進む。ワンカット風撮影で、常に場所が切り替わっていく。
ほぼほぼ前に進むしかない主人公たちを目で追っていると、まるで立体的になったマリオのステージを一緒に進んでいるような気持ちに陥った。
ワンカット風の撮影というルールで被写体に寄ったり離れたり、暗闇を利用したりするという手法に限られている中で、よくもここまで目が離せない作品ができていると思う。
ダンケルクよりは刺さるものがあり、驚かされる部分も多かったが戦争映画自体が好みではないため3.7。