まる

1917 命をかけた伝令のまるのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

キングスマンから

ずっと気になってたやつ!
思ってた程しんどくはなかった。けど、けど……。

文字通り屍を越えてた。
死体がね、生々しい……。
傷口も、腐敗具合も、顔が判別できるのも……。
戦友が死んでも弔えないのかという、この、この……。憤りが……。
あと、人間だけじゃなく馬や牛までも無惨に殺されてるのがほんとに苦しかった。
人間の心までも殺されてるんだなあと痛感した。
主人公がもう、所々で魂抜けたようになってたから。

「意地だけで戦い続けることを決める指揮官もいる」的なセリフが、ウワ〜〜………となった。
戦場も一緒なのね、上司の大切さは……。
自分は絶対そんな上司の下につきたくないし、そうなりたくないと思った。

基本的に、伝令係の二人は優しいんだなと思った。
殺すというカードを軽くきらない感じがした。
その優しさによって殺されてしまうのは、現実だ……と思った。

こんな最悪の戦場でも、赤ちゃんは安らぎの象徴なんだなあと思った。救いだ……。
名前も親も分からない子供を、守り育てようとする人もいたのか……と知った。

多くの犠牲を払ったけど、伝令を伝えられて良かった。もっと最悪のルートを回避できた。
お兄さんが無事で本当に良かった。救われた。

こういう戦場の最前線では、冷静かつすばしっこい人が生き残るのか……と思った。
感情的になったら、途端に取り込める情報をシャットアウトしてしまうもんね。それも無意識に。

主人公と一緒に物語が展開されるので、自分が見た物しか分からないのがリアルだなと思った。
今自分の身に何が起こってるのかは分かるんだけど、敵の動きはおろか味方の動きさえも分からないんだなあって。
あと、主人公の息遣いまでも聞こえて来たので余計に臨場感を味わえた。
爆撃と同時にカメラも揺れるので、吹き飛ばされて一瞬何が起こったのか分からない感じもリアルだった。
エンドロールの音楽も含めて、映画館で観たらもっとすごかったんだろうなと思った。

空も草も青くて美しいのに、人間は醜い争いを繰り返してしまうのか……と落ち込む。
人間は愚か……。
自然の美しさと、人間および人間が作り出した物の愚かさや脆さが強烈な対比になってたように思う。

戦争って最悪だ。
まる

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