リタ

1917 命をかけた伝令のリタのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

正直IMAX初めてだったんですけど
めっっちゃ音でかいね。あと明るい。

心臓飛び出るくらい驚くシーン何度かあって
周りの人達平然と見てて尊敬した。笑


プライベート・ライアンとダンケルクの
あいのこってかんじでしょうか。

見世物として洗練されていつつも
内省的で陰鬱な印象。曇り空のせいか?


お兄ちゃん役の多いマッケイくんと
美人女優の息子役でたまに見るトメンバラシオン
(ごめん名前なんだっけ)
この2人よかったなぁ。

「年上が先に行く」で早くもグッときた。

ジョージマッケイ特に素晴らしい。
あんまり表情ないのに伝わる。伝わるよ。



うわっ!イギリスのネズミより大きい!の
前後のシーンがすごく面白かった。

ドイツ兵凄いね、よく掘ったね、言って
写真を見つけ少し立ち止まり
敵の人間性を認識してしまう感慨深いシーンに続き

ネズミにびびって仕掛線にびびって
仕掛線にネズミが引っかかって爆発するスピード感。笑


埋まっちゃったジョージマッケイ
目が見えなくて焦ってて何故かキュンとしたし

そのあとのインディ・ジョーンズ風脱出劇に
めっちゃハラハラした。


あとその少し前、
ネズミが死体に穴開けてるあたりの独特のグロ描写も
若干のコメディが相まって良かったなぁ

泥臭くドキュメンタリータッチながら
エンタメ感さり気ない前半がとっても好き。



中盤でトメンくんが死んでしまって
めちゃくちゃショックだった。
え!死ぬの!?呆気な!って。

墜落したドイツパイロットなんでそんなことした?
自分足焼けて逃げらんないし
相手1人殺したところでなんの得が…
パニックで判断ミスって刺しちゃったのか?


ここは「誘って欲しくなかった」って言ってた主人公が
トメンくんの意志を引き継いで、

より強固な意志の元、任務に励むようになる
というターニングポイントな訳だけど。


トメンくんが死んで、すぐに仲間が現れて
ちょっとミストを思い出したというか笑

手当が適切ならあとちょっとで助かったのか?とか
どうも嫌な気持ちになった。
服のボタン外さなきゃよかったのかとか
動かして暴れさせなきゃよかったとか。


マーク・ストロング率いる仲間たちの登場は
ちょっと不自然。

あんだけ沢山の人と車が近付いてて
気づかない訳なくない?

ワンカットにしたせいか、
こういうテンポの良さのせいでリアリティ欠けた。
ここの場転は特にダサかった。



しかしながら全編(擬似)ワンカット!

本当、どうやって撮ってんだろって何回も思った。

カメラの動きが美しい!
塹壕で人混み掻き分けるのも
水溜まり這うのも川を渡るのも。

後ろ向きで撮ってるのとか
あんな足場悪いのによくカメラさんコケないなぁて。
主人公の周りをクルクル回るカメラに映らないように
音声さんその他もクルクル移動してるんだろうか。
一体どこに居るんだ。


バードマンとこれ以外で
擬似ワンカット見たことないけどほかにもあるのかな?

全編やっちゃうって誰が思いついたんだろこれ。

何かにつけ全員がとてつもなく苦労したろうなぁ…
↑漠然としてるけど笑
本当、打ち合わせしまくったとしても
想定以上に苦労しそう。


ワンカットによる没入感は…どうだろう?
かえって編集点が気になって集中出来なかったかも。

リアルタイムで撮ってるのは
この映画のストーリー上凄く効果的だし
見ていてとっても面白いけど

でも全編じゃなくてもよくないか?
苦労に見合ってるのかよく分かんない。

それにずっとワンカットで緊張状態にあったら
ここぞってとこで緊迫感薄れないものかね。


前半はリアリティあって興奮したんだけど

後半、燃やされた街の中を
敵に追い回されながらスイスイ駆け抜けるのと
滝から落ちる定番アクションにちょっと冷めた。

マッケイくんは少なくとも2回弾当たってるのに
ノーダメージなのはなんでだろ。
防弾チョッキ…?そんなに性能良いの…?



でも後半は特に美しい映像、沢山あったなぁ。

街が燃えてるシーン、
桜の花弁と川を流れるシーン、
300メートル先の大佐のところまで
第一波を横切って走るシーン。

主人公の心情的にもポイントになっている
このあたりのシーンは忘れられないな。



ロケ地、どうなってんだろ。
被ってるとこもあるのかな?
でも多分色んなところで撮ってそうだね。

エンドロールぼんやり眺めてて
CGだけじゃなくセット関係の人が
とんでもない人数いた印象でした。
カーペンターさん達とか諸々。


随所で有名俳優登場するの嬉しい。ニヤつく。

アンドリュースコット出てるの知らなかったから
登場の瞬間ときめいた。
やっぱり上手い。あんな人ホントにいそうだもん。
そしてやや老けた。

コリンファースも照明のせいか
相当老けて見えました。
喋んなきゃ誰かわかんなかった。
でもやっぱり声かっこいい♡


ラスト、お兄さんお前かよってちょっと笑っちゃった。

まさかバラシオン家の末っ子と
スターク家の長男が兄弟だったとは。
似てるかなぁ?


なんやかんや
お兄さんに遺品を渡せて、ほっとした。

まだ戦争は続く訳で
戦場にいる誰も、今後の命は保証されていないけども。



主人公はこの先、
生きて祖国へ戻る運命にあるんだろうか。

戻らないつもりだと言っていたけど
ラスト、写真を見つめながらどう思ってるんだろう


道中、たくさんの死体を目にして来て
生き残ることさえ容易でない前線の壮絶さを知ったよ。

カンバーバッチも死んでいく部下を沢山見てきて
早く終わらせたかったろうに悔しいね。


この当時は有線だから
電話線引き直さなきゃ連絡は困難。

明日も伝令が走るのか?
今日命拾いしたとして次の伝令ではどうか?


第一波はもう出発してしまってて
急いで戻しても
怪我したり死んだりした人もいることを思って
これは成功といえるのか複雑だった

「よくやった」って声をかけてくれた見知らぬ上司、
なんて出来た人なんだろう。
「そこにいなければ…」で言葉濁したところも
マトモそうだ。


そういえばマーク・ストロングのアドバイス
特に役に立ってないよね。
腕ずくで司令室に突っ込んでっただけだもんね。





木にもたれて座る主人公に始まり
同じように木にもたれ座る主人公で終わるんだね。

無事に帰って、の言葉は誰からなのかな?

imdb曰くスコの奥さんと子供の写真らしいが
子供がいるのか聞かれて何故肯定しなかったんだろ。
子供いるのに戻るつもりないってどういう事かな?

意外と謎が残った。

(あの写真入れてたケース、
別のシーンでも映ったけどなんだったっけ?)


でもとにかく映像が美しかったな。
IMAXで見て良かった。


あと携帯電話よありがとう。
リタ

リタ