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1917 命をかけた伝令のmovieJackのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.2
公開日が14日でTOHO割引日と重なったので珍しくIMAXにて観賞したが
その選択は正解であった

評判通りの革新的で驚愕な映像の連続
カメラワークがとにかくスムーズ
目線や足元の高さのシーンも多く
観客がまさにその場に居て
共に行動し守護霊にでもなったかのような視点による没入感

ワンカット「風」なんでしょ…
と冷めた眼で観始めたが
今作は「全編ワンカット」ではなく
「驚愕長回しの連続」等と宣伝するべきで
ゲームでしか表現出来なかった映像が遂に実写で可能となった感じを受け
当然CG処理は有るだろうがカット割りに全く違和感がない

予告編でもあった
戦闘機墜落シーンも凄いが
冒頭の塹壕での長回しでの縦横無尽のカメラワークと
左右に写り込む数百の待機兵達の計算された映像からガッツリ掴まれ

特筆すべきは池や川等の水回りのシーンで
主人公の背後からついてきたカメラが横からの視点に変わるのだが
そのカメラ位置は完全に先程まで背後から写され何もなかった筈の水上で
人物を横から捉えながら水上を水平移動で対岸まで撮影する違和感のない映像には
これを観せたい
こんな映像ができるんだぞっ💦
という意気込みを感じた
(YouTubeのメイキングにて撮影風景あり)

全編を通してカット割りや編集の計画から
計算し尽くされた撮影は素人ながらにも膨大な苦労を感じられ溜め息しかでず
関係者全てに賞賛を送りたい

ドラマ性が薄いとか
人物像が描かれていないとか…有りますが
何のため
誰のため
それも解らないまま闘い
生きることだけに執着している兵士達には
家族への愛情だけ
その一点だけを描けばそれに勝る物は存在しないとも思われ
今作はあの時代の戦場の最前線を描いたドキュメンタリー的に捉えれば
感動的なドラマは
戦場のリアルを描くには嘘っぽく感じられ不要なのかもしれない
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