何より驚いたのは、ワンカットだけで進んでいく映像技術。この映画の凄いところは、ワンカットで撮ることで生まれる、カメラという第三者だと思う。主人公が走れば、第三者も走り、川に流されれば、第三者も流される。この第三者に自分を当てはめることで、あたかも自分が主人公と共に、任務を達成しようとしている一員であるような錯覚に陥る。そこから生まれる迫力感、臨場感に感動した。また、ワンカットで主観的に撮ることによって、戦時中の基地、廃墟などのディテールが良くわかった。
兵士に絶対になりたくない、戦争は絶対にしてはいけないと強く思わされた作品だった。正直、どんな戦争経験者の語りよりも、説得力があると思う。
