Aya

メタモルフォーゼ/変身のAyaのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼ/変身(2019年製作の映画)
3.8
#twcn

こーれは最後の最後までよく出来ている!!
嘘でしょ?!って声に出たよw
面白かったあ!!

傷付いたのがあの人じゃなくてよかった(T_T)
ほんとに人間て残酷ですね…。

最初のエクソシストシーンが最高に気持ち悪くて。
グロくてもう一回最高!と思ったw

わたしがホラー映画に求める要素「早い」「きもい」「こわい」
「小道具orCGの人がきちんと仕事してる」

私の記憶が確かならば、カトリックの国のイメージの強い韓国でエクソシスト映画が初めて作られたのは2015年。
チャン・ジェヒョン監督作、キム・ユンソク&カン・ドンウォンの”プリースト”

※調べたら国民の大体10%ほどしかにいないらしいw
 じゃあなんであんなに街に教会があるんだよ!銭湯と同じくらいあるぞ?!

引越しのシーンとか姉妹喧嘩の会話のテンポの良さとか韓国映画観てる!って感じビンビンです。

"共謀者”"技術者たち""必ず捕まえる"のキム・ソンホン監督作。
わりと好きな監督です。

台詞よりも意味深なカットが多く気付いたらフルコンタクトを仕掛けてくる、見る人によってキャラクターの行動への評価が割れる手管の持ち主。

反抗期の妹(普段から弟のおもちゃ踏んでそうw)、まとめ役の姉、無邪気な弟の3姉弟。
父権を感じない優しい言葉遣いの父、問題の叔父さんにはもう会うなという母。

ペ・ソンウ氏演じる叔父の神父が冒頭のエクソシズムに失敗して女の子が死に(たぶんデーモン系?)ペ・ソンウ氏が殺した!と噂を流されたそうな。

そのせいで居づらくなり、妹もいじめられ引っ越すことに。
ペ・ソンウ氏は神父を辞めようと申請中。

引越し先は掘り出し物の一軒家。
早々窓のそとに毛を剥いだ猫の死体が吊るされているという嫌がらせ。
しかも隣の家には動物を殺しまくって、サクリファイスにしてる系きもいおっさんが。

オ・デファン氏。
あんまりこういうセリフ少ない役って見ないですね。

いろいろあってお父さん早くも取り憑かれたのか離脱。
次の朝におかんもヤバくなってるので事が進むのがめっちゃ早い。

家族の崩壊って親を攻めても子を攻めてもどっちにしろ上手くいくから家族への攻撃はわりと簡単なイメージだ。

五人家族のそれぞれに取り憑いて奇怪な行動を起こすんだけど、それ以外のときは普通で逆に他の家族が変だ!と思ってもお前が変だ!と言われる誰も信用できない疑心暗鬼地獄。

ついに時は来た深夜。
不気味な妹を訝しがる姉をかなり重そうなトンカチでぶん殴る父。なぜか加わる母w
※この段階で姉と弟だけ無事っぽい。

何度も何度もトンカチを振り下ろしゴツゴツとイイ音がするったらないw
超痛そうww
と思ったら…「他に誰かいる」かもしれない?!

そこで明らかになるおかんの伯父さんへの憎悪、そんなおかんを見て見ぬ振りをしていたおとん。
お互いの不満を吐き出しわかりあえず家族は分断される・・・そこへ!
韓国を出るはずだったペ・ソンウ伯父さんがやってきた!

冒頭のエクソシズムの失敗を悔いていたペ・ソンウ氏だがやってきてすぐに「隣の家やばっ!」と気付く。
そして自分の「家族」を守るために立ち上がる!

こっからはもう予期せぬ展開のオンパレード。
胸が痛い家族の関係。
守れたもの。
守れなかったもの。

失ったもの。
得たものなんてなにもない。

見事としか言わざるを得ないですはい。
インテリ神父のペ・ソンウ氏素晴らしかった!
悲しかった(T_T)

この家古いからどういう配管になってるのかわからないんですけど、シャワールームになんかシャンプーとかボディーソープが数種類置いてあって、年頃の娘が複数います!演出もよかった。

こういうホラー映画の死体とかデーモンのゴア描写ってたぶんまだ韓国独自のものは確立されていない気がする。

大陸・香港・台湾のホラー(エクソシストもの)もわたしはそんなに見てないから近隣アジアの特徴ってあんまりピンとこなくて。

やっぱ2014年のジュノ・マック監督作品”キャンシー”かなあと思うけど、あれは俺たちがガキの頃にテレビで見ては真似した”霊幻道士”のリブート。
清水崇がPDに加わってるので”キョンシー”を香港らしい、と言ってしまっていいのか悩む。

あれは相当レベルの高い代物だしリメイクと言っていいのかと思うくらい全く違う…でてる人はほとんど一緒なのにすごいよw
仏教的でも儒教的でもあり「怨恨」がテーマですよね。

日本は共通認識として宗教的な敵(デーモン)という概念がないので、これ系ホラーは「霊(ゴースト)」がモチーフになる。いわゆる黄泉の国の使者。
ゴア描写もわりとあっさりスパッとしてるイメージ。

最近は東南アジア(タイ、インドネシア、シンガポールなど)のホラーも豊富でインドネシアのティモ・ジャヤント監督作の”悪魔に呼ばれる前に”なんて”The last Train to NY”の後に3つくる予定だから!

タイだと”あるメイドの秘密”もゴシック調でよかったしナ・ホンジンPDの”The Medium”が2022年に日本公開なるか?!って感じですよね。
(7月韓国公開決まってるから世が世ならもう向こうで見てますねw)

シンガポールは10年くらい前から”冥土”や”マカブル”などの不気味怨恨Femaleゴーストホラーがあるし。

この映画に出てくるフィリピンも2018年頃から少女、学校を扱った”カトリックスクールの怪異””存在するもの”などが配信で見れるようになった。

昨年フレンチホラーを扱った日本映画”BEYOND BLOOD”が大変勉強になりましたが、そこから一歩進んだ東南アジアのホラー映画もこれから掘り出していきたいですね。

湿気と雨と暑さとホラーは実に相性がいい。
そこに怨恨がをプラスすれば一大ムーブメントが起きそうな予感✨

いままではゴーストだけだった韓国に「エクソシズム」が登場して7年。
“プリースト”に”ディヴァイン・フューリー”
今作を含めてアプローチが全然違うのほんとすごい…。
どれもちゃんと面白いし怖いしキモい。

これからの韓国エクソシズム映画はどうなっていくのか?!“サバハ”のようなクリーチャーに移行するのか?!

もっと見たいぞー!エクソシズム!


日本語字幕:クレジットなし
Aya

Aya