かたゆき

ペイシェント・セブンのかたゆきのレビュー・感想・評価

ペイシェント・セブン(2016年製作の映画)
3.0
舞台はアメリカ郊外に佇む、とある精神科病院。
重度の患者のみが収容されるという閉鎖病棟に、高名な精神科医が診察にやってくるところから物語は始まる。
新しい著書の取材のために、ここに収容されている七人の重症患者たちのインタビューを行いたいというのだ。
さっそく彼に指定された患者たちが一人ずつ連れてこられることに。
ビデオカメラの前で自らの経験を語り始める、様々な病を抱えた精神病患者たち。
その内容は、どれもにわかには信じがたい驚くべきものだった……。
とある精神科病棟で語られる患者たち驚愕の回想を次々と描きだすサスペンス・ホラー。

一応、一本の映画という体裁は取っていますが、これは幾つもの短編を集めたオムニバス・ホラーと言っていいと思います。
患者たちの回想という形式で描かれるそれぞれのお話も、サイコ・スリラーからゾンビもの、悪霊憑きやヴァンパイアとバラエティ豊かで見ていて飽きさせません。
まあ逆に統一感がないと言われるかも知れませんけどね。
以下それぞれのお話の感想。

①妄想に支配された母親に襲われる娘のお話。母親が妄想で見る怪物がけっこう気持ち悪くてグッド。
②ハロウィンの夜に死体を持って歩きまわる猟奇殺人鬼のお話。殺人鬼の冷酷さと周りの浮かれキャラとのギャップが面白い。
③ゾンビに支配された街で出会った男女のお話。女を助けた理由が実はゾンビ化した彼女の餌にするためだったというオチはありがち。
④シャベルが欲しい女の子のお話。あらゆる方法でシャベルを手に入れようとする理由が…、いまいちよく分からない。
⑤悪魔に取り憑かれた女の子のお話。主人公姉妹が可愛い。
⑥社会に潜伏する吸血鬼を密かに退治するヴァンパイアハンターのお話。この中二病感が痛々しい。
⑦またもやゾンビに支配された世界で逃避行をする親子のお話。率直に言ってありがち。

んで、最後の大オチは主人公の精神科医も実は長年収監されていた患者だったという、これまたありがちなもの。
と、まあそれぞれのお話自体は、何処かで何度も見たようなよくある話ばかりなのですが、全体的にそこそこ演出のキレもよく、映像もそこそこセンスあるんで最後まで普通に見ていられます。

総評。
暇潰しで観る分には、ぼちぼち楽しめるんじゃないでしょうか。
かたゆき

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