Parry

マーティン・エデンのParryのレビュー・感想・評価

マーティン・エデン(2019年製作の映画)
3.8
“そう世界は私より強い
だか私にも威力がある
身を呈して抗う”
私は金持ちになり賢くなれば幸福になり人を助けられるとずっと思っていたのに…学ぶとより世界の醜さに気づく。上を目指さなければ今の苦悩は味合わずに済んだのか?何を言っても讃える金持ち連中を軽蔑し自分の出自の人々の生活を良くしたくても知識がついた分他人が己の理想から外れると耐えられないから妥協もできず諦めの怒りに沈むマーティン。
私には難しかったけど観て良かった。マーティンは”文明化”の象徴?
金持ちの恋人エレナが彼ら(マーティンの出自の貧困層)には希望が必要だからもっと明るい小説を書いたらと言い、実際貧困街を連れまわされた時声をかけてきた人々の顔すらまともに見れないシーンは象徴的で痛々しかった。
フィルムの質感とカラーエディティング、構図はとても好き。
ルカ・マリネッリはすごい役者。
ラストの夕日の真下の海に向かって泳ぐシーンはなかなか忘れないだろうな。
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