知的好奇心のない人にはそこまで刺さらないかも。
歴史と美術好きには割と刺さる。何せ世紀末のパリが事件とのコントラストによって美しく絵画の如く描かれている(実際はもっと不衛生であったんでしょうけど)のだ。
サワリ以降の法廷シーンからは緊張感が間断ない。が、ラストが駆け足すぎて物足りなさが否めない。
組織や権力は腐敗する、をしっかり確認できる。もちろん日本とそっくりです。
はからずも監督(権力者)自身がいちばん腐った人間ということを再確認できた作品でもある。
冒頭のアンリ・メイエ「裏切り者」から始まり、マネまたはモネの「草上の昼食」、ロートレック「ムーラン・ルージュ」、カイユボットの作品で描かれている石畳など、随所に絵画から飛び出した“絵になる”シーンも楽しめる。