Nana

おもかげのNanaのネタバレレビュー・内容・結末

おもかげ(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

レオンとマチルダって結局どんな関係なの?っていうのと同じくらい、彼らの間にあったのはどういう愛?っていうのは愚問だと思った。

行きたくても行けない、助けたくても助けられないというもどかしさと苦しみを経て、ジャンを自ら探しに行ってちゃんと見つけられたラストは、彼女にとって救いだったに違いない。

彼らはこの先一生会わずに終わるかもしれないし、ジャンも大人になって、昔と違う感情で再会するのかもしれない。
なんにせよ、2人が互いを必要として、大切な存在であると認めていたことに嘘偽りはないと思う。
この別れは身も心も幼いジャンにはかなり辛い経験だと言いたいところだが、それ以上に、エレナは辛かったんじゃなかろうか。
若い頃は感傷的で敏感とは言え、歳を重ねれば重ねるほど、心に傷を負うと深くなるし、それをひとりで抱えて生きていかなきゃいけないという覚悟も次第に大きくなる気がしている。若いときの情熱や純粋さはまばゆいけれど、ときに残酷だと知っている。この世に絶対が存在しないこともエレナは知っている。

すぐ消えてしまいそうでもなんだかんだ小さく燃え続けているろうそくの灯火のように、2人の思いは彼らの心の中にずっと生き続けて彼らを常に支えてくれるのだろうと思った。
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