猫目

おもかげの猫目のレビュー・感想・評価

おもかげ(2019年製作の映画)
3.6
元々はオープニング18分だけの短編映画だったそう。父親(元夫)とフランスに出掛けたスペイン人息子(6歳)本人から迷子になってしまったと母親エレナの元に電話が入る。自分がどこにいるのかも分からず、パパも戻ってきそうにない。スペイン語以外言葉は解らない息子。携帯電話の充電も切れそう。後ろに近寄ってくる見知らぬ大人の気配…逃げてっ!ここまでのワンショットが緊張感を煽ってとても怖い。ついでにエレナの激昂っぷりも。
 
本編はその10年後、その後のエレナを描くパターン。息子が行方不明になったフランスのビーチに引っ越し、カフェで働きながら海辺を歩いて息子を探す毎日。そこへ息子の面影を宿した少年ジャンが通りかかる。

エレナの取った行動は??

ふーむ、私には理解できなかったなぁ(だからといってこの映画が嫌というわけではなく)。あらすじを読むと「喪失」、「赦し」、「再生」のようですが、喪失は大前提としても赦しは?むしろエレナは「赦されるのか?」だった。
新しい彼氏が優しくて「再生」の方向に振り始めていたのに、結局自制できず、ジャンに対しても惑わせるような態度、時折り感情を露わにする姿は10年前からあまり変わってなかった。そして再喪失なお話に感じました。

ジャンの母親がカフェに来るところはちょっと見ものでした。盛大に嫌味を言ってましたが、ティーンの母親としたら、ああいう言葉になりますよね。
登場人物の名前をちゃんと確認しながら観たほうが良いお話。最後、え?ってなっちゃった。
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