ゆう

異端の鳥のゆうのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
4.8
ジャケ写が強烈で、これは心して観ないといけない作品だと感じて暫く観なかった。やっぱりその通り、本当に壮絶でカオス。

170分という長い時間を全く感じさせない、ひたすらありとあらゆる理不尽、闇をみせられる9章。残酷なのにモノクロで美しく描かれている様は、シンドラーのリストを感じさせるようでもある。暫く頭を離れないに違いないトラウマ級の衝撃。もしかしたら、観なければよかったかも知れない。

観終わって放心状態は久しぶり。

この作品から何を感じとればいいんだろうか。人間の残忍さ。戦争が生み出す不条理。人間の尊厳の喪失。悪の連鎖。異端を拒む人間の醜さ。
兎に角、不快しか残らなかった。けれど、これが戦争。平和な世界を希求するばかり。

名前も言葉も感情も無くしていった少年。ラストは、一筋の光ととらえてよいのだろうか。ヨスカという名前だったんだね…

誰かに簡単にお薦めは出来ない、覚悟が必要な作品でした。
ゆう

ゆう