YUEL

異端の鳥のYUELのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
4.0
前情報敢えて一切入れず、
強烈な印象を残すサムネだけ見て
鑑賞した。

なので、ちゃんと見るまで
異端の島だと思ってたよね…。
(老眼?笑)

さて。
これは、静かに淡々と進む作品だけに
正直、前後が分からなかったのよね。

見終わってから、検索して
ユダヤ人迫害を避けるために疎開した少年なんだと知る。
(こういうのってどうなの?
映画で描かれてない背景は
知ってから見るべき?
後からしるべき?っていう問題。)

戦時下…そして
ユダヤ人差別が当然の世の中に
純粋そうな少年一人が放り出される。






⚠️内容に触れます。




大人は、皆自分の身を守り生きる事に必死で
他人なんて見えてない人間ばかり。
欲望…醜さ、汚さばかりが目に付き、
皆自分たち中心。
見ているこっちが辛い。

リアル世界名作劇場かなと思うほど、
見事なほどに孤児に冷たく当たってくる世間。
こんな変人ばかりの場所なんて
あるのか。
ゾッとする。

最初は暗転し名前が表示される度、
次こそ次こそ…と思うんだけど
だんだん、どうせまた…と思っている
自分に気づく。
…きっと少年と同じように。

だんだん処世術を身につけ
やり返せるようになってくるあたりから
胸がすくような気分になってくる。
でも…
そもそも、まじめに働くあんな良い子が
こんな風にならざるを得ないなんて
良いことではないのにね。

父親が探しあてても、感情すらあらわにできなくなってる少年。
幸せを取り戻し、普通の少年に
戻って欲しいな。
野垂れ死にENDじゃなくて
本当によかった。

追記
え、169分もある映画だって!
全然気づかなかった。
YUEL

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