パケ写に惹かれて観ました。
2019年に製作されたとは思えないほどの、5、60年代風の映画で、撮影の再現度は高いな、とは思いました。ただ、この作品を現代でやる意味は、あまりなかったように思います。
内容も、原作があるようですが、なんだかマルキ・ド・サドの「美徳の不幸」と「悪徳の栄え」に似た構成で、特別惹かれるようなものではありませんでした。上記のふた作品は、対となるテーマでそれぞれ書かれていて、その対比が面白いのですが、今作はただ、ホロコーストを逃れて生きるユダヤ人の少年がされたであろう迫害の総まとめを見せられた、といった印象でしかありませんでした。
現代でも、いまだ人種差別は根強く残っていますから、こういった作品を観て、差別は良くない、と感じてもらいたいのかも知れませんが、中には悪役に共感してしまう人種もいるわけで。
総じて、
作品選びや撮影技法が、エモいというより、ただ古いだけに感じた作品でした。