メイ

異端の鳥のメイのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
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罪と罰、そして群衆劇が描かれる。
少年は、家(その場)における言動権はほとんど無いため、中盤までは見よう見まねで現在起きていることや矢先の出来事を予測するだけ。中盤以降は、少年自身の判断が入り組む。
1.少年を主人公にすることで「物語の歩行者」といえるだろうか、場と時間を歩行し移り変わる役割を持つ要素自身がストーリーと呼応して移り変わるのはやっぱりいいよなと思った

2.濃い記憶を掘り起こすメタファーが必ず再度、場を変えて描かれる
身体を焼く炎、酒、首を括る綱、強姦、
この点が好きだった。酷い夢を見る時のプロセスみたいで好き。社会派なメッセージと裏腹にモノクロ、とても短絡化されたキャラクター
それでも、核にあるものはわたしたちの生活のすぐそばにあることのようで(群衆の持つ構図を描いているならもちろん常に近くにあること)
そういう鑑賞者との間合いの取り方は作品として好きだなー
ポリティカルなものごとやグロテスクな物事を、敢えてファンタジックに描くような そういう空気感は大事。時に、写実画以上にデフォルメされたイラストが人の本質を浮き彫りにするように
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