このレビューはネタバレを含みます
とても面白かった。
けどちょっと長い。
ユダヤ人の少年が疎開し、保護者が死に家を失い放浪をする物語。
ひどい話。
人間の本能はとても差別的なんだなと思った。
差別を受けるということは、家畜やその辺の虫や小鳥と同じ扱いを受けるということ。尊厳なく気ままに傷つけられ犯され殺される。もちろん武器は使う。
素晴らしき本能。
でもこの本能がむき出しになるのは環境に大きく作用されるとも思った。
生きること以外は全てどうでもよく冷酷になれる。己より弱いものは玩具になる。
最後父に再会した時の主人公の反応が興味深かった。
歓喜ではなく、憤怒。今までの苦難ずっと我慢していた感情が噴出した。
やっと甘えられたんだなと思った。弱いのに怒りに身を任せるのは死んじゃうもんね。
でもお父さんは収容所帰りなんだよね?相当心労があったと思う。
親子に幸あれ。
好きなシーンは、あの卑劣漢をネズミの穴に落としたところ(もっとやったれ)
最後の歌が素晴らしい、癒える。