たま

秘密への招待状のたまのレビュー・感想・評価

秘密への招待状(2019年製作の映画)
4.0
完璧な家族には秘密があった。

ジュリアン・ムーア演じるテレサはやり手だ、計画通りに事を運ぶ。
会社を築き発展させ、夫に愛され、子供たちからも慕われる。

インドから呼び寄せたミシェル・ウィリアムズ演じるイザベルを、娘の結婚式にまで招待させる強引さも、自然で嫌味じゃない。
そこはジュリアン・ムーアの魅力と上手さが光る。

イザベルはインドで慈善活動をしているが、多額の寄付を得るために、渋々ニューヨークに滞在するから終始仏頂面。
しかしイザベルの感情は、その後もっと大きな衝撃に襲われる。

テレサから招待された結婚式に、21年前の恋人と自分の産んだ娘がいたからだ。
驚きと戸惑いと共に、怒りも露わにするイザベル。
まあ当然と言えば当然です。

娘のグレイスももちろん戸惑う。
死んだと聞かされていた実母が現れたのだから。
父をなじるグレースに、グレースの名前の由来を語るシーンはなんかグッときました。

慈善活動に全てを費やすイザベルは、産んだ子を手放した事への罪悪感がどこかにあったのだろうか。

仲の良い父娘、育ての母が大好きな娘。完璧な家族に、なぜ今さら波風を立てるのかと思ったら…

木から落ちた鳥の巣。親鳥の姿はない。巣に残された卵を大切にするテレサがなんか切ない。

この映画が、デンマーク映画のリメイクだとは知らなかった。
マッツ・ミケルセン主演のデンマーク版が無性に見たくなった。
たま

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