料理に魂がこもっていれば、必ず伝わり人を驚かせる。
感動させる。
心があったかくなる…
皆が凛としていて、しかしその根底にはとても大きな優しさと思いやりがありました。
何よりも大切なかんざしを差し出してくれたご寮はん、やりたいようにやらせてくれたつる家のご主人、その腕を見込んで大事なヒントをくれる小松原、いつも見守ってくれた町医者の源斉さん…
皆んながとてつもなく優しくて、地獄のような世で澪を支えてくれました。
かんざしがご寮さんの手に戻って来た時は、涙がぽろぽろ…
SNSの勝手な意見に振り回されて、寛容さがなくなりつつある私達に、人を思いやることの大切さ、優しくある事が人として重要な意味を持っている事を改めて教えてくれる良作でした。
人としてどうあるべきか…
全ての答えがこの作品に詰まっています。
江戸という大きな街の、ほんのひと部分を切り取った日常を描いていながら、人に対する気持ちや、ひとつの道を突き詰めていく奥行きなどが大きなスケール感を感じさせ、観終わった後にすっきりとした印象と温かな余韻がしっかり残っています。