シネマスナイパーF

みをつくし料理帖のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

みをつくし料理帖(2020年製作の映画)
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不勉強ながら角川監督の作品は知らないため、どういう映画を作る方なのかも分かっておりません
そんな自分は主演の松本穂香さんの大ファンです
彼女が出演している全ての作品を観ているわけではありませんが、主演を張っている映画は全て観てきました
彼女についてのレビューをしたいのでさせてください


自分は松本さんを、佇まい、顔つき、目力、これら一発で強みを発揮するタイプだと思っていて、わたしは光をにぎっている、君が世界のはじまりといった作品では彼女の良さが存分に発揮されていると思いました
特に、わたしは光をにぎっているは素晴らしかった
今作みをつくし料理帖では、窪塚洋介さん演じる小松原に「基本がなってない」と言われた後の顔と、中盤にお店がとんでもないことになってしまった時の絶望の顔、このあたりに松本さんらしい良さが出ていた

逆に、台詞を言わせて感情を全面に押し出すような芝居では、まだかなり「演技」をとても強く感じます
正直、上手い方ではないと思っています
みをつくし料理帖は時代劇のため、どの人物も基本的に少しトゥーマッチな芝居なのは仕方の無いことですが、松本さんはちょっと合わないんじゃないかなと思った
いい意味であまり喋らせない方が良い女優さんなんで
多分、中川龍太郎監督はそれを分かった上でキャスティングしたんだと思うんですよ
で、ふくだももこ監督はそれを見てなるほど彼女は少し暗めの狂言回しが合うかもと縁を演らせたんじゃないかなぁ
窪塚洋介、中村獅童の上手さが光ってただけに、主演というのもあり少し悪目立ちしてしまったのかもなぁ

これは完全に余談ですが、彼女が澪という名前の人物を演じるのは、わたしは光をにぎっているに続き二回目で、公開予定の君は彼方というアニメーション作品でも澪という人物を演じるらしいです
澪女優


映画そのものの話を少しすると、美術が本当に素晴らしいですね
広さ、規模の大きさこそ感じさせませんが、その分惚れ惚れするような作り込みになっていると思います
演技は演者に任せすぎではと思いましたね
自分に良さを自覚させるのではなく、外側から見た良さをコントロールして演出していくべきだと思います
角川監督、 これで監督作品は最後ということだそうで、お疲れ様でした
様々な作品、勉強させていただきます