ありえない自殺表現の極北だが、映像と音響の効果がすぎる感。スピード感と音と血しぶきですごくひどそうに見せている。自殺スイッチが入ったときの半狂乱の演技は良いとして、高速で自分を殺めてしまうシーンは、なんだかテレビゲームのように見えてしまう。
とはいえ、恒松祐里演じる箕輪紀子の最期のシーンなんかはもう凄惨極まる状況。まるで本当の殺し合いを観ているようで気分が悪くなったほど。
猟奇映画としてはまだやさしいレベルだが、描かれる世界は確実に狂気。クライマックス、学園祭セットのシーンのCGでの肉体表現なんかは悪趣味レベル。
キャラの背景が見えづらく、テーマ的にももうちょっと奥深さが欲しいというのが正直な感想。
主役の橋本環奈。理不尽に毅然と立ち向かう姿はかっこいいが大胆な活躍なし。描かれる世界が異常で気味悪いものだから余計に環奈演じる樫村の清潔感のコントラストが際立つ。