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一人っ子の国のhashimotoyutaのレビュー・感想・評価

一人っ子の国(2019年製作の映画)
3.7
よかった。ドキュメンタリーとして秀逸作だと思う。
一人っ子政策の悲劇いうと、堕胎のイメージがあるけど、それ以外の負の側面を広く、しかも各視点で深掘りされてて、学びになり、心に来るものもあった。堕胎のキャンペーンの文言もさすが中国共産党というキッツい表現で、中国のリアルあった。
子供が捨てられまくってる、売られまくってるという証言と描写は、非現実感がすごくてインパクトでかい。
一人っ子政策をどう思うかという質問に対して、「間違ってなかった」と答えたおばちゃん、他の状況だったら「洗脳されすぎてダメダメすぎて笑える回答だ」と思ったと思う。でも、党の側の必死さもある意味わかるから、笑えない。別のおばちゃんが、「政策は政策、それが私の運命」と答えた場面は、現実と向き合う姿勢に心打たれるものがあった。
一人っ子政策について、みんなが仕方なかったとコメントしてたのはわかるけど、厳格だったと全員言ってたのも、党側の必死さ伝わった。中国は古代の昔から毛沢東習近平の今も、そのやり方じゃないとまとまらないから。その流れでの、現在の2人目は素晴らしいキャンペーンのどす黒さあった。
中国だけじゃなく全世界の構造まで追っかけて、わかりやすく伝えた力作だと思う。
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