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Guest of Honour(原題)のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

Guest of Honour(原題)(2019年製作の映画)
1.0
[エゴヤン流家族ドラマはウサギの迷宮へ] 0点

カスみたいな映画。長らくカンヌ御用達監督として作品を送り込み続けていた天敵エゴヤンも直近の二作品はヴェネツィアに送っており、最新作である本作品も昨年のヴェネツィア映画祭に登場した。レストランの調理スペースを渡り歩く衛生指導員の父親ジム、その娘で高校の音楽教師でありながら生徒へのハラスメントで収監されたヴェロニカの話を、非論理的に並べ替えて語る、いつものエゴヤン映画。嫌いなのに四本目ということで知りたくもない傾向を掴んでしまった。この人は毎度毎度回想形式でお滑りになっている気がするんだが、懲りもせずにまた同じことをやっているのだ。しかも、今回は回想がノンリニアにぶちまけられ、特に関連性もなく繋がれ、関連性の無さにも意味がないという地獄の展開。所謂"ベテラン"とは信じがたいが、キャリアまんべんなく嫌いなのでその点に関しては一貫性があるのかもしれない。

物語はヴェロニカ釈放後にジムが亡くなり、その葬儀の後で父の秘密を探るヴェロニカが神父に自分の過去を語るシーンから始まる。この時点で視点はヴェロニカにあるはずなのだが、ジムが生きていた頃の業務風景がふとした瞬間に差し込まれている。父親の堅物で娘思いな性格を知るにはいいのかもしれないが、別にどうでもいい。ヴェロニカは子供の頃の恋人ウォルターの死を引きずっており、その関連で父親が死にかけの母親をほっぽり出して不倫していたんじゃないかと思い悩んでいる。という話を神父に語り始める。5分くらいで終わりそうな内容を100分も水増しする手腕には感服するが、本筋も物語もブレブレで意味不明なのをノンリニアな展開で難しい風を装って煙に巻こうとしているにすぎない。

観る度にキャリアワーストを更新してくるのだけは褒めてあげたい。これも一つの才能だと思うが、正直なんでチヤホヤされてんのか欠片も理解できない。以上、友人の静止を振り切ってわざわざ地雷を踏みに行ったら足が吹っ飛びました、という記事でした。
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