とらねこ

マリッジ・ストーリーのとらねこのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.7
こちらを見てしまったら、最後の件アダム・ドライバーが手紙を読むシーンで胸が張り裂けそうになってしまったよ。終わる30分位前から「どうせコイツのは複雑な後味の終わり方だぞ」と自分に忠告をしながら見ていたのに「やっぱり」と言いながら号泣していた。

翌日も何かと思い出してはじわじわ涙していたので、余程自分には奥深くに“入って”しまったみたい。結局この手の私小説的な"小ささ”の映画が、自分にはいちばんしっくり来るやつ。スカヨハがイメージと違う演技をしていて“まるで普通のアメリカ人”のように喋るのも新鮮だったよね。

少し前に当時メタメタにやられてしまった、『ブルーバレンタイン』を見返して思ったことは、後から見ると何も面白くないもんだなと。当時の自分の気持ちにフィットしただけだったのかー。やはり、私小説が見た者を撃ち抜くか否かは、人生のステージにもよるのかもね。と当たり前のことをつくづく。

で、思い出したのが『レボリューショナリー・ロード』。この作品がやりたかったのはあれだろうなと。だってさ、アダム・ドライバー、彼はノア・バームバックのお気に入りなのだろうけれど、スカヨハを何故、と思うじゃない?スターウォーズやマーベル等ビッグバジェットの顔な人々を使ってあえて私小説を撮ったと。そんな辺りも『レボリューショナリー・ロード』を彷彿とさせるわね。まあ、『”タイタニックその後”』ほどのインパクトはないけどさ……
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