劇団を率いる演出家チャーリー、劇団俳優のニコールの離婚調停を描いた作品。
離婚調停というとてつもなく思いテーマを扱う作品と聞いていたので覚悟して観たら…意外とコミカルなシーンもたくさんあって思ってたよりしんどくならない。もちろん、全体的に重くはあるが。
例のあのシーンは終わってから2回くらい見直した。何気ない話から徐々にお互い怒りがヒートアップし最終的に爆発してしまうあのシーン。チャーリー演じるアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンセンの迫真の演技に圧倒されてしまう。悲しい男女の分身がそのまま取り憑いたようだ。
チャーリーとニコールは子供からしてみれば親だった。だが、彼らもまた誰かの子供だ。例のあのシーンでは彼らの親の話になった途端、怒りのギアが跳ね上がったように感じた。
親と比べられたり、同一視されたりするのは誰でも怖い。
親になること、結婚することの難しさは計り知れない。彼らが現状に戸惑い、怒り、悲しみ、それでも何とかやっていくという波が、この作品の肝なのだろう。
"彼に会って2秒で恋をした"
思わぬ愛のテクストに出会ったときのチャーリーと、それを見つめるニコールの表情…忘れられない。