YokoGoto

マリッジ・ストーリーのYokoGotoのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.1
<これも愛し合った二人の一つの形>
『結婚』とは、恋の延長でもなければ愛の一つの形でもない。決してわかり合うことのできない他人同士が、男女という性別を超えて、一つの時間、一つの空間、一つの価値観を、一部は共有しながら、一部は距離を置きながら、時間を過ごす究極の人間関係なのである。

だから結婚生活は、夢や理想では決してごまかしきれない、二人しか知り得ないリアルな現実にまみれていく。しかし、このリアルな現実は、ある意味、夢や理想よりも美しく重厚で、夢や理想がちっぽけに見えてくるくらいの大きな意味を持つ。

そう、これこそが『歴史を刻む』という事。

究極の人間関係は、誰にも作ることのできない夫婦の歴史と家族の歴史を、ゆがみながら、いびつな形を織りなしながら、確かなものとして刻んでいく。

それは誰にも否定できない、時の産物。
たとえ、その形が変わろうとも、究極の人間関係は永遠に続く。

恋は薄まる、愛は深まる。

二人の歴史は形を変えながら、これからも続く。それが結婚。どんな形になったとしても、それが二人の結婚。
YokoGoto

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