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ホモ・サピエンスの涙のslowのレビュー・感想・評価

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)
3.7
これはもう映画とはまた違う代物で、もちろん絵画でもなく、では漫画でもないだろうと言われればそれは遠からず、4コマ…6コマ漫画程度のコンパクトな、しかし、エピソードに関しては乏しいある日常の断片、その羅列のような、まるで新聞などで連載されるそれの総集編を見たような動画体験で、漫画で、もしかしたら絵画で、つまり、多分映画だった。この世界の色味や寂しさが『アスファルト』を想起させるけれど、ここには明確な物語の筋というものがなく、感情移入できる(したい)人物もおらず、カメラも動くことがない。謎の例えをするなら、格闘ゲーム(SFC)のバトル中の背景の世界のような、シーンは同じで何か気持ち動いてるな…な世界で繰り広げられる4コマ映画だ(謎深まる)。実はこのような映像スタイルを確立してからのロイ・アンダーソンに苦手意識があったので、今回はかなりハードルを下げて鑑賞したところ、意外と受け入れられたし(色々と書いておきながら)、何なら所々で笑ってしまったよ。本当、不思議な世界観。
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