葛飾北斎の半生を青年期と老年期に分けて描く。飛行機で鑑賞。
ううううううううーん!!!なんだろうこのモヤモヤ!
目利きの版元・蔦屋重三郎を支店に売れる前の血気盛んな北斎を描いた前半と、老いながらも絵への情熱を滾らせる姿を描いた後半。両方とも悪くないんだが、合わせたことにより両方とも物足りないという残念な結果に。
というのも、やや説明過多というか……修飾部分が多すぎる前半と、ほぼ田中泯の身体的な説得力のみで押し切る後半とのテイストが違いすぎるのが要因かと。柳楽優弥の尖がった北斎像も良いのだが、田中泯の気迫がすごすぎて両者が同一人物だという風に思えないのも辛かった。
歌麿や写楽の扱いもやや中途半端に感じた。重三郎VS青年期の北斎というもっとシンプルな対話構造にした方がスッと入ってきたかもしれない。それならば、前半は対話、後半は肉体という対比も感じられた気がするし。
青い染料を浴びる田中泯や、廃屋のような家で一心不乱に描きまくる柳楽優弥など、光るシーンがいくつもあっただけに残念。別々の作品で観たかった。