もとまち

アリエッタのもとまちのレビュー・感想・評価

アリエッタ(1989年製作の映画)
3.6
夫を失い、子供と借金だけが残され、しかし職は見つからず。そんな転落人生まっしぐらの主婦(加賀恵子)が行き着いた先はSMクラブだった......。ひとりの女が体験するこの世の地獄を、過激な性と暴力を交えながら描いた実相寺昭雄の成人映画。元々がAVなので、描写のひとつひとつに全く容赦がない。オープニングの時点で加賀恵子の死体が写されてしまうため、はなからこの物語に何の救いがないことも分かってしまう。安らかな死に顔をした彼女は、死を以て初めて楽になることが出来たのか? 所々でフラッシュバックされる線香や仏像のビジョンに、実相寺的な仏教観を伺うことは出来るが、あまり理解が追いつかない。実相寺作品お馴染みの広角レンズは本作でも多用されていて、トイレやキャバクラの狭っちい空間をより窮屈に捉え、主人公の置かれた状況の重苦しさを強調している。
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