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ブラインデッドのkuuのレビュー・感想・評価

ブラインデッド(2018年製作の映画)
3.0
『ブラインデッド』
原題 Deadsight.
製作年 2018年。上映時間 82分。

盲目の男と妊婦の警官が、ゾンビの蔓延した世界を生き延びるべく奔走する姿を描いたサバイバルスリラー。

事故で往生した救急車の中で、手錠をはめられた状態で目を覚ました盲目の男ベン。
直前の記憶を失っている彼は、車の外に出て助けを呼ぶが、周囲に人の気配が全くない。
仕方なく歩き始めたベンは、自分が『人間ではない何か』に追われているような感覚に陥る。なんとか廃屋に逃げ込んだものの、そこにも狂気の気配が充満していた。
瀕死の彼を女性警官マーラが助けるが、彼女は出産を間近に控えており。。。

映画だけではなく小説とかもそうかなぁ。
善きコンセプトにはこだわりがあり、物語などがそれに沿うか、若しくはそれを超える場合は面白さが当然増す。
しかし、ここであぁやろ、こうしとけよなんて行動やらが実行に移されない故にアカンようになったり、全然、的を射ない場合は再生停止ボタンを押すか否かを迷う。
特に映画の世界には、その両方の例が数多にありますが、最近は悲しいことに後者に傾いてて、コンセプトが優れているにもかかわらず、他に多くの可能性を示しているものがある場合は特にフラストレーションが溜まります。
今作品のコンセプトは、ゾンビ映画の中では、結構善き方だと思う。
既存のゾンビ作品とは何か違うことをしようとしたように見えたのは賞賛に値するかな。
馴染みすぎず、ゾンビ映画として認識できる要素ももちろんあるんやけど、典型的なゾンビ映画とは思えず、あまり分類されないと思う。
ゾンビが登場するホラー・スリラーってとこかな。
今作品の良いところは、コンセプトが無駄になっていないところやと思う。
しかし、もっといろいろなこと出来たんちゃうかと可能性を秘めてたと思うし、どうしたらいいのか分からない映画の1つです。
今作品の映画ポスターを見るとチープに見えるが、撮影は意外にもスタイリッシュで雰囲気があり、エフェクトは使いすぎず、乱用もせず、メイクも適度にフリーキーで、ベタベタした感じはなかった。
音楽には不気味さがあったし、緊張感とスリルがあり(もっとあったかもしれないが)、悪くなかった。
主役の2人は、もう少し踏み込んで彼、彼女の背景を描いてくれてたら、深く応援したくなったんやけど、あまりにも説明が無さすぎたのは残念。
無理のない相性ではあるとは思います。
ゾンビは数体しか出てこないが、威嚇効果はあった。
アダム・セイボールドとリヴ・コリンズは主役として十分すぎるほど活躍し、実際に彼らの苦境を互いに気にかけているようなところには好感が持てました。
故にもっとうまくできたはず。
じっくりとしたテンポの作品であっても、ストーリーが長引き、長さを維持するほどにはストーリーが進んでいないことを示すような、あっけない展開が勿体ないなぁ。
主役はよくできているんやけど、他のキャラは非常に淡白で、違和感があり、必要性を感じないものもあった。
特にクライマックスでは、予測可能な展開になり、説明の試みも曖昧で、緊張感も何もあったものではなかった。
悪くはないが、もっと良くできたはずやろけど、まぁ個人的には善くも悪くもない作品で、ゾンビ作品と云うことで評価0.3ポイント増加してます。
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