けーすけ

ラスト・クリスマスのけーすけのレビュー・感想・評価

ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)
4.3
2020/12/13(日) Amazonプライムビデオにて鑑賞。

12月、クリスマスが近づいたロンドン。ケイトは恋愛や家族関係などがうまくいかない人生の中、パブで出会った男と一夜の関係を持つなど自堕落な日々を送っていた。そんなある日、仕事先のクリスマスショップでトムという男性から声をかけられた。ケイトにとってトムは全然好みのタイプではなかったが、話をしていくうち徐々に彼に惹かれていく。ところが今時携帯電話も持たず、会いたい時に行方をくらますという謎があるトムに不審も覚えるケイトであったが、そこにはある理由が隠されていた・・・










観る前は、ライトで単純なラブコメもので「ドタバタあれこれあって、オチはハッピーエンドでしょ?」とか思っていた本作。

観終わってからは「クリスマスシーズンにお勧めしたい!しかし説明するのに似たようなプロットの映画はあるけど、それを挙げるとネタバレになるのがもどかしい~!!」となった映画でした。




主人公のケイトは飲んだくれで、行きずりの男と寝たりするもたまたま帰ってきた相手の恋人に見つかったり、友達の家ではペットの魚を不幸な死に追いやったり、さらに別の友達の家では苦労して作ってあったペーパークラフトを故意ではないものの燃やしたりという根っからのトラブルメーカー。

まず、このケイトという少しハチャメチャなキャラが序盤に好きになれるかどうかで映画の評価が分かれそうというのが少し勿体ない部分かな、と。


ところが、ケイトのビッチ感は“昔はワルだったやつが良い事やったら褒められる”的な、下げてからの持ち上げ演出でもあって、トムに出会ってから自分自身を見つめ直して変わっていくさまが映し出されているというのが、ベタながら分かりやすいところ。
ケイトはホームレスのシェルターでの炊き出しへ参加したり募金集めなどを行い、「ケイト、めちゃめちゃいい子やん…!」と徐々に成長して変わっていく姿に好感が持てます。
(ケイトを演じたエミリア・クラークの富士山ばりの八の字眉毛が最高にキュート!)


あれ?でも恋愛要素の描写がちょっと少ないぞ・・・?


と、あれこれモヤモヤ&ヤキモキしてたら、終盤からの展開にめっちゃ泣いてしまった。
本気で予想したら読めそうな展開ではあったけど、王道ラブコメと思い込んでいたから予想外にやられてしまった…。

ブレグジットに関わるあれこれや、LGBTQといった最近の現実問題も内包させており、少し詰め込み過ぎ感は否めないですが、恋愛要素だけではなく、家族愛、隣人愛、人種を超えた愛を優しく包み込んだ点が個人的にはトータルして心に刺さってきました。


クリスマスのド定番曲であるWHAM!の「Last Christmas」が本作テーマともなっているのですが、男の失恋ソングであるこの楽曲の意味がラストにグっとくるってのもニクい部分。やられた。
その他に使われる楽曲もベタベタのベタ!だけどそういうのが好き!!

イギリスの街中風景もとてもステキなのでそのあたりも見どころ。コロナが収束して旅行に行ける日はいつになるのか…涙



クリスマスの時期にピッタリな映画に出会えて心ホッコリでした。


[2020-182]



個人的クリスマスシーズンにおすすめな映画

『ホリデイ』
https://filmarks.com/movies/21604/reviews/65184146

『あなたが寝てる間に…』
https://filmarks.com/movies/10278/reviews/64093995

『グリーンブック』
https://filmarks.com/movies/80582/reviews/79204941
けーすけ

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