TAK44マグナム

ラスト・クリスマスのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)
3.9
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ワム!のジョージ・マイケルLOVEなエマ・トンプソンが彼の名曲に触発されて書き上げた素敵な「もう一編のクリスマスキャロル」🎄
クリスマス映画の新定番とも話題となった本作、「ターミネーター新起動ジェニシス」のサラ・コナー、「G.Iジョー漆黒のスネークアイズ」のスネークアイズ、「シルバーホーク」や「ポリス・ストーリー3」等のアクション映画でブレイクしたミシェル・ヨーと、主要キャストだけをみるとまるでゴリゴリのアクション映画かと見間違う程ですが、当然の如くロマンティックなラブコメなのでご安心ください。
現代的な問題提起を含んだ「クリスマスキャロル」、つまり主人公にクリスマスの奇跡が起き、再生するお話です。
キラキラ、ピカピカ✨と煌びやかなロンドンの表の顔と裏を顔を描きつつ、人が人として生きられる幸福がどれだけ大切なモノなのかを温もりいっぱいに伝えてくれる良作でした。

内容としては、エミリア・クラーク演じる主人公が何故、本名である「カタリナ」でなく「ケイト」と名乗っているのか、どうして自分勝手で半ば自暴自棄な生活をしているのか等、彼女が自身を見失ってしまっている理由が大きな骨子となっています。
それには当然理由があり、生まれ故郷から離れなければならなかった過去、そして家族とも距離を置きたくなるほどの辛い出来事があったことが段々とわかってきます。
そして、彼女を励まし、導くメンターのような存在となる不思議な男トム。
神出鬼没な彼の正体が判明する時、驚きと共に大きな感動が津波のように押し寄せてきました。
トムの台詞には「人が人として生きるのは難しい」等、刺さる名言も多数で、下ではなく上を見ることで今まで気づかなかった事に気付ける事を教えてくれます。
また、それは逆に時には下を見ることで気付けることもあるんですよね。
彼の言葉や存在に助けられ、ケイトは本当の自分を取り戻してゆきます。
そんな一人の女性の再生の物語ですが、終盤は本当に皆んなが幸せそうで、クリスマス映画ってのはこうでなければと思いました🎁
人によってはベタで陳腐にも感じるかもしれませんが、クリスマスぐらいはベタでも良いじゃないですか✨


エミリア・クラークのくしゃっとした笑顔がたまらなくキュートで、エルフのコスプレがたまりません。
クリスマスショップで働いている設定なのでクリスマス感も満載で楽しいですし、雨や霧のロンドンではなく、鮮やかでカラフルな街並みもオシャレでウキウキしてきます。
移民や格差問題を扱いつつ、それはあくまでも主人公のアイデンティティを脅かす材料程度にとどめ、さりとてたんなる恋愛映画では終わらせないバランスもちょうど良い塩梅だと思いました。
この一年、色々と思い悩んできた方も多いと想像に難くないですけれど、締めくくりとなるクリスマスぐらいはハッピーな気分に酔いしれるのも良いじゃありませんか✨
本作はその手助けとなる、奇跡をもたらす一作かもしれません。
まだクリスマスの夜に観る映画が決まっていないなら、是非オススメさせて頂きます🎅

ではでは皆さん😊
メリークリスマス🎄!


アマゾンプライムビデオにて