ぶみ

ディック・ロングはなぜ死んだのか?のぶみのレビュー・感想・評価

3.0
ダニエル・シャイナート監督、マイケル・アボット・ジュニア、ヴァージニア・ニューコム等の共演によるドラマ。
アメリカ南部の片田舎を舞台として、バンド仲間ディックが当然死んでしまったことによる騒動を描く。
バンド仲間の一人ジークをアボット、その妻をニューコムが演じているほか、同じくバンド仲間アールをアンドレ・ハイランドと、正直知らない俳優陣ではあったものの、それが功を奏して誰が主役というわけではなく、フラットな気持ちで観ることができたのは良かったところ。
観終わってから気づいたのは、冒頭で早々に退場してしまうディックを、監督自らが演じていたこと。
物語の肝は、邦題にもなっているディックが死んでしまった死因となっており、それをひたすら隠そうとするジークやアールが、行き当たりばったりの行動によりドツボにハマっていく姿がシュールであり、残念すぎて見ていられないような笑いを誘うもの。
また、その死因は案外早く明かされることとなるが、確かにそれを知ると、ジーク等が隠そうとしたのも納得であるとともに、ディック役がおらず、前述のように監督自らが演じることとなったのも想像に難くない。
若干、冗長な部分があるものの、片田舎を舞台にA24製作らしくクセ強めな人々が繰り広げる人間味溢れるドラマに、笑うに笑えない一作。

人生の半分、ラリってるから。
ぶみ

ぶみ