アキラナウェイ

ディック・ロングはなぜ死んだのか?のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.7
めっちゃ面白いんじゃなくて、ジワる感じ。
このノリは好き嫌い分かれるかなぁ。

僕は好きだけど!!

ディック・ロングはなぜ死んだのか?

めっちゃ気になる!!
なんで死んだん!?
これは劇場で確認せなな!!って事で行ってきた。

バンド仲間のジーク(マイケル・アボット・Jr)とアール(アンドレ・ハイランド)、ディック(ダニエル・シャイナート)は、ある夜ガレージでバカ騒ぎをしている内にハメを外し過ぎて、ディックが死んでしまった。警察は殺人事件とみて捜査を開始。ジークとアールは、何とか自分達に疑いがかからない様に奔走するが—— 。

おバカ達が奏でる不協和音が、微妙に全部全部ズレて、面白い。

ディック役は、監督ご本人。
色んな人にオファーしたけど、断られたらしい。

いやぁ、それにしてもおバカだわ〜。
特に主人公のアール。
やる事なす事、全て裏目。
口を開けば辻褄の合わない嘘ばかり。

バカ、そうじゃないよ!!
それ言ったらバレるって!!

いつの間にやら、僕もこのおバカ仲間の1人になっていて、心の中のツッコミが止まらない。

平凡な男が親友の死に直面し、殺人犯に仕立て上げられそうになった時…。こんなにも上手く立ち振る舞えないもんなのか!?

ついつい、自分だったら…なんて想像しちゃう。

ディックの死因は、特に引っ張るでもなく明らかにされるし、その夜の描写は描かれないので、物足りないと言えば物足りない。

けど、この何もかも上手くいかない滑稽な空気感は好き。

コーエン兄弟が引き合いに出されるのも納得。
このシュールさは確かに似ている。

奥さんの全てを知った時の、"Are you joking?"は絶妙な表情だし、娘ちゃんの血だらけになった後ろ姿とかめっちゃ笑ったし、"cocksucker"の意味を純真無垢な瞳で聞いてくる娘ちゃんが最高!!

アール達のバンドがコピーしている楽曲が、あまりに下手過ぎて、全然元ネタがわからなかったんだけど、エンドロールで判明。

ニッケルバックの"How You Remind Me"。
思いっきり知っている曲だったわ!!
Apple Musicで落としてるっちゅーねん!!

もしかしたら、世界で一番恥ずかしい死に方かも知れないディック・ロングの死因。

これが、実話を基にしているって知って、震えた。