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スナックあけみの010101010101010のレビュー・感想・評価

スナックあけみ(2019年製作の映画)
3.5
どうしょうもない人たちのペーソスを優しく包み込む、思いがけない良作。

(帰る場所がなく身体を売ってしのぐ若い女、刑務所帰りの男、親に捨てられた女、好きになった人のため家族を捨てた女、妻に先立たれた寂しさを月に一度の風俗通いで癒す男、…)
ここに出てくる「どうしょうもない人」たちは、皆、寂しさや悲しさ、傷を抱えており、時に不器用にも大事な人をも傷つけてしまったりする。
だからといって極悪人になれるほどの器量もなく、ある種、そういったものを優しく包み、時に忘れさせてくれる「スナックあけみ」に不思議と引き寄せられてくる。
そんな「スナックあけみ」が後半、思いがけない偶然により、ガツンと本音をぶつけ合う場となり、そしてまた新たに生まれ変わる、というのもよかった。

あけみさんの作るご飯がめっぽう旨くて、また亡霊を叱り飛ばしてくれる、というのもいい。
クスッと笑えるホラー要素って、なんか優しいんだよなぁ。