ぶみ

バーナデット ママは行方不明のぶみのレビュー・感想・評価

3.5
退屈な毎日にさよなら。

マリア・センプルが上梓した『where’d you go bernadette』を、リチャード・リンクレイター監督、ケイト・ブランシェット主演により映像化したドラマ。
家出を決行し、南極に向かう主人公等の姿を描く。
主人公となる主婦バーナデットをブランシェット、夫エルジーをビリー・クラダップ、娘ビーをエマ・ネルソンが演じているほか、クリステン・ウィグ、ジュディ・グリア等が登場。
物語は、極度の人間嫌いで、地域に馴染めていないバーナデットが、ある出来事をきっかけに南極へ向かうという、これだけ読むと、何とも荒唐無稽な話なのだが、実は至極自然な流れで、力技な感じが皆無なのは脚本、ひいては原作の妙。
何より、人間嫌いで、周囲の人々とすぐにぶつかってしまうバーナデットを、トッド・フィールド監督『TAR/ター』において個性的な指揮者リディア・ターの演技が記憶に新しいブランシェットが好演しているのだが、実は本作品は本国ではコロナ禍前の2019年に公開されているため、後にターを演じたというのも納得の一言。
また、ローレンス・フィッシュバーンやスティーヴ・ザーンが登場シーンが少ない中で、確かな存在感を放っていたのも見逃せないポイント。
正直、もっと早くにバーナデットが行方不明となり、捜索する様がメインで描かれると思っていたため、その点では拍子抜けしまったが、バーナデットの抱えるバックボーンが丁寧に描かれており、実際のロケ地は南極ではなくグリーンランドのようだが、南極紀行を味わえるとともに、エンドロールまで見逃せない一作。

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