藍紺

バーナデット ママは行方不明の藍紺のレビュー・感想・評価

4.0
ケイト・ブランシェットの演技に引き込まれる。というか彼女の役者としての資質がバーナデットとダブる。才能豊かなクリエイターがその特殊能力を封印されたらどうなってしまうのか。それってとっても苦しいことなのだと思い知らされた。
ウィットに富んだ会話の応酬が心地良い。特にバーナデットの娘ビーが聡明でイキイキとしていた。夫のエルジーも含め家族がどんな過程をたどって生きてきたのか、詳しくは提示されない。何不自由なく恵まれているように思えたバーナデットの閉じ込めていた過去が徐々に明らかになっていくにつれ、不安定で混乱している彼女をケイトは見事に体現していたと思う。彼らが暮らす家もバーナデットそのものを表していて素敵だったな。

劇中、母娘が車中である曲を熱唱するシーンのなんと美しいことよ。バーナデットが置かれている状況と歌詞の内容がシンクロしてて涙した。あの曲が色んな映画で使われてるのを観てきたけど、今作のマッチアップは見事。あ、あと脇を固めるクリステン・ウィグが素晴らしかった!彼女の好演が光ってました。
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