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バーナデット ママは行方不明のIDEAコメント休止中のレビュー・感想・評価

3.9
『南極、それは神が聖ケイト様を遣わした聖地である。』

天才指揮者ターを狂演した『TAR』とは打って変わって家族愛を力強く描く今作でも、聖ケイト・ブランシェット様の素晴らしい演技は健在。
今回は突如表舞台から姿を消した天才建築家の役どころで、建築に注いできた膨大なエネルギーの行き場をなくした聖ケイト様が苦悩し、そしてご自身のあるべき場所へとお戻りになる過程を暖かな家族とともに追いかけることになる。

正直言って荒唐無稽な脚本で並の演者では凡作待ったなしであるが、聖ケイト様が主演ということならば話は別。
溢れんばかりの豊かな感情表現で観るものを皆惹きつける。(マジで惹きつけられるので本当に不思議。やっぱり役者には一流ってあるんだなと痛感)

また、『ロード・オブ・ザ・リング』の神々しい御姿を拝謁してはや20年が経つが(ただし今作は2019年制作だが)、尚も若々しく美しいその御姿に「この人、本気で人間以外の血を引いているのでは?(エルフとか)」と疑うレベルで、なんかありがとうございます(←?)

尚、夫役の方は聖ケイト様にどう寄り添うべきか苦悩する姿を好演しており、聖ケイト様の横にいることが許されるいい男であったし、娘役の方は聖ケイト様の娘であり親友という今どき(?)のいわゆる友達親子的な距離感を絶妙に演じており、2人の演技は聖ケイト様が存分に演じるために必要不可欠の最高のパフォーマンスであったことをおまけで記しておく。

地元のミニシアターにて。
パンフレットの入荷がなかったのは残念無念。