湯っ子

バーナデット ママは行方不明の湯っ子のレビュー・感想・評価

3.8
バーナデットが専業主婦として過ごした20年間は描かれていない部分だけど、その結果が夫や娘との関係であるし、愛らしく賢く伸びやかに育った娘ビーなのだと思う。
その中で営む生活を含めての「家」をデザインすることはとてもクリエイティブなことだと思うし、家族との小さなトラブルやすれ違いを日々調整しつつ、良好な関係を保ち続けるのにも努力と工夫が必要。
それと、生まれつき身体が強くない娘ビーが、あんな風に伸び伸びと健やかに育っているのは、バーナデットが保護するだけの愛情ではなく、人生を楽しむたくさんの方法を教えたからだし、そこにはものすごいエネルギーを注いでいたんだと思う。バーナデットの20年間は空白なんかじゃなかった。
でも、ビーがもうひとりでも大丈夫だとわかったら寄宿学校を勧めたりして、スッパリ親離れさせて、自分にも子離れを強いる。そんな頭の良さと決断力、でもそれを受け入れるのが難しい感受性の強さの不協和音に、バーナデットの天才性が反映されているんだろうな。
それと、夫エルジーの包容力ね。バーナデットのジタバタに振り回されながらも、絶対的な味方として存在してる。これは、女性としての妻への愛情だけではなく、同じく技術者である妻の才能へのリスペクトがあるのだろう。

ケイト様のコメディ演技は程の良さが絶妙。カッコ悪いことも平気でやるのに、何をやっても品性を失わない。本当に素敵。後半の舞台が南極というのも新鮮だった。エンドロールも音楽含めすごく良かった。あれは2013年の実際の映像らしいですね。
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