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“樹木希林”を生きるのgenのレビュー・感想・評価

“樹木希林”を生きる(2019年製作の映画)
4.0

この映画は、希林さんの死の直後にNHKで放送された番組に未公開シーンを追加した劇場版。僕は観ていませんが、番組を観た方は少し物足りないかもしれません。

希林さんの生き様や面白がる考え方、ユーモアに溢れる希林劇場をスクリーン越しに観れてよかった。


4本の映画撮影に同行する長期取材で希林さんの実像を映像でひも解いていく。映画の中では普通の役者はやらないであろうカメラの前でのギャラ交渉や、自ら運転をして撮影現場に移動する姿など、多忙の中でも自然体で生きる姿が映し出される。

ガンが全身に転移していることを包み隠さずに公の場で何でもないように告白。決して悲観せず病気を受け入れていく様子がかっこいい。自宅FAXで仕事のオファーを管理したり、テレビの撮影では収録中も手元に希林さんのバックを置いていたりと、どこまでもマイペースで希林さんらしい。


「自分中心でいいのよ」と樹木希林さんは言う。

社会に媚びたり生きづらい人が多い世の中で、どこまでも自分を貫く姿や、芯が強くて媚びない姿勢、そして苦しい時でも面白がれる心の強さが、きっと多くのファンを亡くなった今でも魅了し続ける要因なのだろうと感じました。ありがとうございました。
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